10/03/29のニュース

インドネシア→日本:「介護福祉士」目指し/上 お年寄りが笑顔に /山形

3月29日10時57分配信 毎日新聞

◇3年後、試験不合格なら帰国
風呂から上がり、椅子に腰掛けたお年寄りの女性の髪にドライヤーをかけ、丁寧な手つきで、くしを通す。女性は心地よさそうに目を閉じた。ぬれた髪が乾けば、ミルクの入ったコップを、そっと女性の前に置いた。
山形市の特別養護老人ホーム「ながまち荘」(峯田幸悦荘長)で働き始めた県内初のインドネシア人介護福祉士候補者、アグンさん(25)とドゥイさん(24)の日課だ。デイサービスの利用者の世話を始めて、もう2カ月。手つきはずいぶんさまになってきた。「山形弁、おらだが教えてけらんなねっだなー」「めんごいのー」。2人に声をかけるお年寄りの表情が緩む。
「お年寄りにとっては孫のような年齢。2人は言葉がまだ不自由で生活もままならない。でもそのため逆に『ものを教えてあげなければ』とお年寄りにも張りが出てきた」。ながまち荘の岩崎勝也介護支援専門員は話す。そして「デイサービスはお年寄りと話し、笑顔を引き出し喜んで帰ってもらうことが大事。2人は意識せずにそれができている」と評価する。
ながまち荘に来る前に半年間日本語の研修を受けたが、込み入った会話や介護の専門用語などは、まだまだ勉強が必要だ。イスラム教徒の2人はお祈りが1日5回。豚肉は食べず、アルコールは口にしない。異なる文化や食生活、習慣にも慣れなければならない。とはいえ、アグンさんは「山形弁が分からないけど、教えてもらえる」、ドゥイさんも「みんな優しい人で安心した」と柔和な表情を見せる。
だが2人は、3年間実務経験を積んだ後の13年に、介護福祉士の試験を受けなければならない。日本人でも合格率は50%と高くない。ところが、その試験に1回で合格できなければ、2人は帰国しなければならない。一方の受け入れ施設にも人的、経済的負担がかかる課題もある。
◇   ◇
日本との経済連携協定(EPA)に基づき、08年度に始まったインドネシア、フィリピンからの介護福祉士候補者受け入れ。全国では現在480人が働いているが、県内では今年1月に、ながまち荘が受け入れた2人が初めて。ながまち荘の取り組みから、問題の所在を探った。【釣田祐喜】

外国人介護福祉士:定着へ県が支援 受け入れマニュアル/日英両語対応ソフト /静岡

3月29日11時17分配信 毎日新聞

◇195施設に無料配布 言葉・文化の壁克服
介護福祉士を目指してフィリピンやインドネシアから来日している人たちの定着を促そうと、県は介護施設を対象とした受け入れマニュアルや、日本語と英語の両方で使用できる介護記録用のソフトなどを開発した。経済連携協定(EPA)に基づき08年度に受け入れが始まったが、言葉や文化の違いのほか、日本人でも理解が難しい専門用語があり、苦悩する現場の声を基に作成した。
マニュアルは、09年11月に4人のフィリピン人を特別養護老人ホームなどに受け入れた聖隷福祉事業団(浜松市)の職員が経験を基に作成に協力した。
具体的には、引っ越し準備や外国人登録の方法など、日本での生活を始めるための手続きなどをまとめた。ガスコンロや給湯器の使い方を写真入りで説明したり、「名誉を重んじるフィリピン人を人前でしからない」など、生活や仕事上でのルールや国民性の違いによる行き違いなどを具体的に記した。
介護記録システムは、実務で最も難しい日本語での介護記録の作成を手助けすることが目的。「笑顔がみられる(smiles)」「元気がない(Is not showing vigor)」など日本語、英語両方で記された約350の例文から選択できるようにした。さらに、市販の翻訳ソフトを使い、英語で文章を作成しても日本語で読むことができるようにしている。
県はこのほか、介護福祉士国家試験対策の英語版の参考書も作成した。EPAに基づいて、介護福祉士を目指す人たちはこれまで約510人が来日。県内では14人が働いている。県はマニュアルや記録ソフトを、県内の特別養護老人ホーム195施設に無料配布した。問い合わせなどは県長寿政策局介護保険室(電話054・221・2312)まで。【松久英子】

講演:広島の呉共済病院泌尿器科部長・光畑さん、修復腎移植の必要性訴え /愛媛

3月29日13時30分配信 毎日新聞

◇「追い詰められる患者救える」
病気腎(修復腎)移植を執刀してきた宇和島徳洲会病院(宇和島市)の万波誠医師のグループの一人、呉共済病院(広島県呉市)の光畑直喜・泌尿器科部長が28日、「修復腎移植の可能性」をテーマに、松山市道後町2の県身体障害者福祉センターで講演し、約40人の腎移植手術経験者らは熱心に聴き入っていた。光畑部長は「肉体的、精神的、経済的に追い詰められる患者を救い、社会的貢献をさせることができる」と、修復腎移植手術の必要性を訴えた。
講演は、腎移植手術の経験者と、人工透析患者の交流会の一環で開催。「えひめ移植者の会」(野村正良会長)と「県腎臓病患者連絡協議会」(戸田淳司会長)が主催した。
光畑部長によると、透析患者の開始後5年間の生存率が日本で6割、アメリカでは4割という。光畑部長は早期腎がんの部分切除後の再発率が2~4%であることを対比させ、「将来、再発するかもしれないがんのリスクより、患者はこれから先、生きているかどうかというリスクを抱えている」と病気腎移植の妥当性を強調した。
また、日本の死体腎移植の平均待ち時間が約17年間と指摘し、「待ち時間が長い患者らにとって、修復腎移植の持つ可能性や期待は大きい」と話した。【津島史人】

介護予防チェックリスト、実施率は約3割―厚労省調査

3月29日15時49分配信 医療介護CBニュース

厚生労働省が3月26日に発表した「平成20年度介護予防事業(地域支援事業)の実施状況に関する調査結果」によると、将来的に介護の必要がある可能性を判定する「基本チェックリスト」の実施者は869万4702人で、高齢者人口全体の30.7%だった。厚労省老人保健課では、「要介護となる恐れのある虚弱な状態にある高齢者を十分に把握できているとは言えない。自治体によっては実施方法が十分ではなかったり、高齢者が介護予防の必要性を認識していなかったりする傾向にあることが要因ではないか」としている。

基本チェックリストの実施者のうち、近い将来に介護が必要になる恐れがある「特定高齢者」の候補者は217万8952人、新たに特定高齢者とされたのは69万450人だった。2008年度における特定高齢者は、2年前の6.7倍の105万2195人となった。

全国の自治体が、要支援・要介護状態に陥らないように通所型あるいは訪問型で提供する「介護予防特定高齢者施策」の利用者は、2年前の約2.5倍の12万8253人になったが、それでも利用率は高齢者人口の0.5%にとどまっている。特定高齢者施策の利用者の経過については、「改善」が42.4%、「維持」が36.0%としている。

障害者自立支援 奈良地裁でも和解

3月29日21時24分配信 産経新聞

国と原告側が終結に合意した障害者自立支援法をめぐる違憲訴訟のうち、奈良市の小山冨士夫さん(53)が、国と市に負担の免除などを求めた訴訟の口頭弁論が29日、奈良地裁(一谷好文裁判長)であり、小山さんと国、市側の和解が成立した。支援法をめぐる訴訟の和解成立は、さいたま地裁に続き2例目。

和解条項では、今年1月、長妻昭厚生労働相が調印した基本合意文書に原告、被告双方が合意することなどが確認された。原告側弁護団は「国の障害者制度を転換させたという意味で勝訴的な和解」とした。

平成18年施行の支援法は、障害福祉サービスの利用を原則1割自己負担としたため「生存権を保障した憲法違反」として、障害者らが全国で提訴。今年1月、国と原告団、弁護団が、自己負担の廃止や25年8月までの新制度実施などを約束した基本合意文書に調印した。

介護人材の養成の在り方で議論―厚労省検討会が初会合

3月29日21時30分配信 医療介護CBニュース

厚生労働省は3月29日、「今後の介護人材の養成の在り方に関する検討会」の初会合を開催した。今後、介護福祉士の資格取得要件に加わる「600時間養成課程」や長期的なキャリアアップの仕組みなどについて議論していく。

介護福祉士の資格取得の選択肢では、3年以上の実務経験があれば国家試験が受けられる「実務経験ルート」があったが、2012年度からは600時間以上の養成課程が義務付けられる。しかし、この課程が負担になっているといった声や介護分野の離職率の高さ、人手不足の状況を踏まえ、人材の質と量的な確保も両立できるよう、検討会では現状に即した介護福祉士養成の在り方や、介護職の長期的なキャリアの在り方について議論することになる。
具体的には、▽介護人材育成の基本的な方向性▽介護現場の現状把握と介護職員に期待される役割▽「実務経験ルート」における養成課程(600時間課程)▽介護福祉士と他の研修制度との関係―などについて夏ごろまでに議論を行い、その後は引き続き介護人材のキャリアアップの仕組みの具体的な在り方を議論していく予定だ。
この日、事務局からは、介護職員基礎研修を受けた人が介護福祉士を目指す「基礎研修ルート」について、基礎研修(標準は500時間)の履修に加え、「600時間課程」と基礎研修の重複部分を除いた280時間の課程を行えば、国家試験が受けられるという案が示された。
また、介護福祉士のほか、介護職員基礎研修、ヘルパー2級の各資格の役割分担があいまいなことや、資格取得が必ずしもキャリアアップに結び付いていないこと、初任職員、中堅職員、施設長・リーダーのそれぞれの段階で人材を養成するための論点が示された。施設長・リーダーの段階については、07年の「社会福祉士及び介護福祉士法」改正の附帯決議で示されている介護福祉士の上位職「専門介護福祉士」(仮称)も論点の一つに挙げられている。

その後の意見交換では、「(資格に対する)処遇がどこかで担保されていないと、なかなか前に進まない」「取ったら、それに見合った役割が与えられるような資格でなければ意味がない」といった根本的な問題点や、「はっきりとキャリアラダーが見えるようでなければ人は集まらない」などの意見が出された。
山井和則政務官は「600時間の研修で給料がどれだけ上がるのか、どれだけ新しい仕事ができるようになるのですかという疑問がそもそもある」とし、「一歩間違うと、介護福祉士ではない介護職員はたんの吸引はできるけれども、介護福祉士ができないという逆転現象も起こり得るかもしれない」と指摘。
また以前、杉村太蔵前衆院議員から、「(600時間の課程が新たに加わることで)お金もあまりないけれど、介護福祉士になりたいという人の夢が遠のくのではないか」という質問を国会で受けたことが記憶に残っているとし、委員に対して「今の時代にマッチした結論を出していただければありがたい」と述べた。